2023年1月19日 営業ノウハウ

アポイントメントセールスとは、電話や郵便、SNSなどで販売目的を明示せずに消費者を呼び出したり、他の人より著しく有利な条件で契約できると告げて営業所などへ呼び出したりして、商品やサービスの契約を勧める販売方法です。
「アポイント」という言葉が付いていますが、通常の営業活動で行われるアポイント獲得とは意味が異なります。一定の条件に該当するアポイントメントセールスは、営業所などで契約した場合でも特定商取引法上の「訪問販売」に含まれます。
アポイントメントセールスを理解するうえでは、通常の営業アポイントと区別し、特定商取引法上のルールや消費者保護の仕組みまで確認することが重要です。
アポイントメントセールスの意味、キャッチセールスとの違い、事業者が注意すべきルール、クーリング・オフや消費者側の対処法を整理します。

アポイントメントセールスは、単に電話やメールでアポイントを取り、その後に商談する営業方法を指す言葉ではありません。
消費者庁の「特定商取引法ガイド」では、電話や郵便、SNSなどで販売目的を明示せずに消費者を呼び出す方法や、他の人と比べて著しく有利な条件で契約できると告げて営業所などへ誘い、契約を締結させる方法がアポイントメントセールスとして説明されています。
このような方法で呼び出された消費者との契約は、営業所などで締結した場合であっても、一定の条件では特定商取引法上の訪問販売に該当します。
詳しい規制内容は、消費者庁「特定商取引法ガイド|訪問販売」で確認できます。

アポイントメントセールスと、営業担当者が取引先や見込み顧客と面談日時を調整する「アポイント」は分けて考える必要があります。
| 項目 | アポイントメントセールス | 一般的な営業アポイント |
|---|---|---|
| 主な意味 | 特定の方法で消費者を呼び出し、商品やサービスの契約を勧める販売方法 | 商談や面談を行うために事前に日時を調整すること |
| 特徴 | 販売目的を明示しない誘引や、著しく有利な条件を示して呼び出す方法などが含まれる | 面談の目的や用件を伝え、商談機会を設定する |
| 特定商取引法との関係 | 一定の条件に該当すると訪問販売として規制対象になる | 通常の営業アポイントすべてがアポイントメントセールスに該当するわけではない |
| 注意する点 | 勧誘目的の明示、書面交付、禁止行為、クーリング・オフなどの確認が必要 | 目的を明確に伝え、相手に配慮して日程を調整する |
営業における一般的なアポイントの意味については、アポイントとは?意味・アポとの違い・営業での取り方を解説も参考にしてください。
キャッチセールスとアポイントメントセールスは、どちらも一定の場合に特定商取引法上の訪問販売に含まれますが、消費者への最初のアプローチ方法が異なります。
| 項目 | アポイントメントセールス | キャッチセールス |
|---|---|---|
| 最初の接点 | 電話、郵便、SNSなど | 路上などで直接声をかける |
| 誘引方法 | 販売目的を明示せず呼び出す方法や、著しく有利な条件を示して呼び出す方法など | 路上などで呼び止め、営業所などへ同行させる方法など |
| 契約場所 | 営業所などで契約する場合がある | 営業所などへ移動したうえで契約する場合がある |
| 法律上の位置づけ | 一定の条件で訪問販売に該当 | 一定の条件で訪問販売に該当 |
「営業所で契約したから訪問販売には当たらない」とは限りません。消費者をどのような方法で誘引したのかによって、特定商取引法上の扱いが変わることがあります。
アポイントメントセールスでは、どのような言葉や方法で消費者を呼び出したのかが重要になります。
たとえば、販売目的であることを知らせずに別の用件であるかのように呼び出したり、「特別な対象者だけに案内している」など、他の消費者と比べて著しく有利な条件であると告げて営業所などへ誘ったりするケースが該当することがあります。
SNSを通じて知り合った相手から誘われる場合などもあるため、電話やはがきだけの問題ではありません。
なお、どの取引が法律上のアポイントメントセールスに該当するかは、具体的な勧誘方法や契約状況によって判断が異なります。個別の取引について判断が必要な場合は、弁護士や行政書士などの専門家、関係機関への確認をおすすめします。

アポイントメントセールスが特定商取引法上の訪問販売に該当する場合、事業者にはさまざまなルールが課されます。
消費者庁によると、訪問販売を行う事業者は勧誘に先立って、次の内容を消費者へ告げる必要があります。
販売目的を隠して呼び出し、実際に会ってから初めて商品やサービスの契約を勧めるような方法には注意が必要です。
訪問販売では、消費者が契約を締結する意思がないことを示した場合、その場で勧誘を続けたり、その後改めて同じ契約について勧誘したりすることが禁止されています。
「断られても話を続ければよい」という営業手法ではなく、相手の意思を尊重した運用が必要です。
契約の申込みを受けた場合や契約を締結した場合には、法律で定められた事項を記載した書面の交付が必要です。
書面には、商品や役務の種類、販売価格、支払い方法、契約年月日、事業者情報、クーリング・オフに関する事項などを記載する必要があります。
書面の記載事項や交付方法には細かな要件があるため、実際に販売活動を行う企業は、最新の法令やガイドラインを確認してください。

特定商取引法では、訪問販売における不当な勧誘行為が禁止されています。
主な禁止行為には、次のようなものがあります。
「誇張しなければよい」「強引に契約させなければよい」というだけでは十分ではなく、勧誘前の説明から契約書面、契約後の対応まで一連のルールを確認する必要があります。
具体的な禁止行為については、消費者庁の特定商取引法ガイドで最新情報を確認してください。
特定商取引法上の訪問販売に該当するアポイントメントセールスでは、消費者にクーリング・オフが認められる場合があります。
原則として、法律で定められた書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、消費者は書面または電磁的記録により、契約の申込みの撤回や契約解除を行えます。
また、事業者がクーリング・オフについて事実と異なる説明をしたり、威迫して消費者を困惑させたりしたことでクーリング・オフできなかった場合には、期間を過ぎてもクーリング・オフできる場合があります。
ただし、取引内容によって適用の有無や例外があるため、自分の契約が対象になるか判断できない場合は、消費生活センターなどへ相談してください。
参考として、国民生活センター「アポイントメントセールスとは何か」でも制度が解説されています。
消費者側がアポイントメントセールスと思われる勧誘を受けた場合、相手の説明だけで契約を急がないことが大切です。
必要のない商品やサービスであれば、契約する意思がないことを明確に伝えましょう。営業所などへ行った後で契約を勧められた場合も、不要であれば断り、帰りたい場合はその意思を伝えます。
すでに契約してしまった場合は、契約書面を確認し、クーリング・オフの対象や期間を確認してください。
契約や悪質商法などのトラブルについて相談先がわからない場合は、消費者庁が案内する「消費者ホットライン188」を利用できます。地域の消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
アポイントメントセールスと、通常のテレアポや営業メールによる商談設定は同じものではありません。
法人営業などで見込み顧客へアプローチする場合でも、相手を誤認させる表現や、実際とは異なる目的を伝えて商談機会を作る方法は避けるべきです。
営業活動を継続的に改善するには、アポイント件数だけを追うのではなく、対象顧客、アプローチ内容、商談化、受注、その後の顧客対応まで一連の流れを管理することが大切です。
電話やメールを使った一般的なアポイント獲得については、アポイントをお願いする際のコツとは?電話・メール別の例文ありでも解説しています。
なお、具体的な販売方法が特定商取引法などの法令に適合しているかについては、専門家へ確認してください。
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アポイントメントセールスという販売方法に該当するだけで、直ちにすべてが違法になるとは限りません。
一方、特定商取引法上の訪問販売に該当する場合には、勧誘目的の明示、書面交付、再勧誘の禁止、クーリング・オフなどのルールが適用されます。事実と異なる説明や威迫など、法律で禁止されている行為を行えば行政処分や罰則の対象になる場合があります。
あります。電話、郵便、SNSなどで販売目的を明示せずに呼び出した場合など、法律で定められた方法で誘引した消費者と営業所等で契約した場合でも、特定商取引法上の訪問販売に該当することがあります。
特定商取引法上の訪問販売に該当する場合は、原則として法律で定められた書面を受け取った日を1日目として8日以内です。書面または電磁的記録によって通知できます。
ただし、具体的な契約条件によって判断が異なる場合があるため、契約トラブルについては消費生活センターや専門家への相談をおすすめします。
アポイントメントセールスとは、電話や郵便、SNSなどで販売目的を明示せずに消費者を呼び出したり、著しく有利な条件で契約できると告げて営業所などへ呼び出したりして、契約を勧める販売方法です。
通常の営業活動におけるアポイント獲得とは異なり、一定の条件では特定商取引法上の訪問販売に該当します。
事業者には、勧誘前の目的の明示、必要書面の交付、不当な勧誘行為の禁止などのルールがあり、消費者にはクーリング・オフなどの保護制度があります。
企業が営業活動を行う際は、商談数だけを追うのではなく、相手への説明やアプローチ方法も含めて適切な営業体制を整えることが重要です。具体的な法令への適合性については、必ず専門家や関係機関へ確認してください。
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