2025年8月22日 営業ノウハウ
「自社に合ったCRMを選びたいけれど、何を基準に選べばいいのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。CRM(顧客管理システム)は企業の営業活動・マーケティング・カスタマーサポートにおいて重要な役割を果たすシステムですが、種類が多く、選定に迷ってしまうこともあります。この記事では、CRMの選び方を機能・価格・サポート体制など多角的に比較し、自社の課題解決に適したシステム選定のポイントを徹底解説します。
CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略で、日本語では「顧客管理」と訳されます。顧客との関係性を深め、長期的な信頼構築を目指す経営・マーケティング手法のひとつです。
CRMの目的は、新規顧客の獲得ではなく、既存顧客との関係をいかに良好に保ち、リピートやアップセル、クロスセルへとつなげていくかにあります。顧客の属性情報や購買履歴、問い合わせ対応履歴などを一元管理し、個々のニーズに合わせた対応を可能にすることで、顧客満足度の向上と売上最大化を図るのがCRMの基本的な役割です。
近年では、このCRMの考え方を支援する「CRMシステム(顧客管理システム)」の導入が進んでおり、営業やマーケティング、カスタマーサポートといった部門において活用が広がっています。これにより、属人的な対応から脱却し、組織全体で一貫性のある顧客対応が実現しやすくなっています。
具体的には、以下のような役割を担います。
CRMは単なる顧客管理ツールではなく、「顧客との関係をどのように深め、価値を高めていくか」を戦略的に考えるための基盤となるものです。自社のビジネスモデルや営業方針に合ったCRMシステムを選定・運用することで、その効果は大きく変わってきます。
CRMの導入に失敗する企業は少なくありません。その多くは、導入前の準備不足や、目的とシステム機能のミスマッチによるものです。
例えば、「顧客管理の効率化」が目的であるにもかかわらず、マーケティング機能が充実している一方で、入力項目が多すぎて営業現場で使われなくなったというケースは典型的な失敗例です。
また、社内での活用イメージが共有されないまま導入され、現場にとって「使いづらいツール」として定着してしまうこともあります。
CRMはあくまで営業やマーケティング、カスタマーサポートの業務を支える仕組みであり、目的や運用体制に合致しなければ意味がありません。まずは「なぜCRMを導入するのか?」を明確にし、現場の声も取り入れながら検討することが重要です。
CRMを選定する際は、以下のステップを踏むことで、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
まずは「CRMで解決したい課題」を明確にしましょう。例えば「営業の属人化解消」「顧客データの一元管理」「見込み客のフォロー強化」など、自社の営業プロセスや顧客対応におけるボトルネックを洗い出します。
課題が明確になったら、それを解決するために必要なCRM機能を洗い出します。例:
CRMは、営業部門だけでなく、マーケティング、カスタマーサクセスなど複数部門にまたがることがあります。どの部門で、どの業務を、どのように支援するかを整理することで、運用設計がスムーズになります。
現場で使われるには、「直感的な操作性」や「サポートの充実度」が鍵です。特に営業現場では、入力の煩雑さが導入定着を妨げる原因になるため、トライアル導入や画面UIの確認が欠かせません。
CRMは製品によって機能や特化分野が異なりますが、主に以下のような機能が搭載されています。
機能カテゴリ |
概要 |
活用例 |
顧客情報管理 |
顧客名、属性、取引履歴などを一元管理 |
顧客ごとの過去対応履歴の確認 |
商談・案件管理 |
営業案件のステータス、見込み度合いを管理 |
進捗に応じたアプローチ強化 |
タスク・スケジュール管理 |
担当者ごとのToDoやスケジュール管理 |
抜け漏れ防止、営業進捗管理 |
メール配信・ステップ配信 |
顧客に応じたメールの自動配信 |
見込み客のナーチャリング |
分析・レポート |
データを可視化して営業の傾向を分析 |
営業KPIの見直しやPDCA活用 |
自社で重視すべき機能がどれに該当するかを整理し、選定の判断軸にしましょう。
CRMを比較する際は、「どの製品が多機能か」だけでなく、自社の業務にどれだけフィットするかを軸に考える必要があります。以下の視点で比較しましょう。
比較軸 |
注目ポイント |
解説 |
導入形態 |
クラウド型 or オンプレミス型 |
中小企業では初期費用の安さ・拡張性の高いクラウド型が主流 |
操作性 |
UIの見やすさ・入力のしやすさ |
営業担当者が日常的に使えるかどうかが重要 |
業種特化 |
汎用型 or 業界特化型 |
不動産、製造など業界別の商習慣に合わせたCRMもある |
サポート体制 |
導入支援・教育サポートの有無 |
操作定着を助ける伴走支援があると安心 |
連携性 |
MA、SFA、外部ツールとの連携 |
LINE、Slack、会計ソフトとの連携可否も確認 |
特に中小企業では、「すぐに使える」「わかりやすい」ことが定着のカギとなるため、現場目線での使い勝手を重視しましょう。
CRMには無料から有料まで多種多様な選択肢があります。初期コストを抑えたい企業には、無料プランや月額数千円程度で利用できるサービスもありますが、制限も多くあります。
料金帯 |
主な特徴 |
向いている企業 |
無料 |
機能制限あり。利用人数・容量に上限 |
小規模チーム・試験導入 |
月額1,000〜5,000円 |
基本的な顧客管理機能を網羅 |
中小企業、営業チーム |
月額10,000円以上 |
高度な分析や連携機能が充実 |
本格導入、マーケティング連携 |
「使い続ける前提」で選ぶなら、コストだけでなく「操作性」「分析精度」「外部連携」など長期的なメリットとのバランスも考慮しましょう。
CRMは、顧客情報の一元管理を起点に、営業・マーケティング・カスタマーサポートなど複数の部門の業務を効率化し、顧客満足度と企業の売上向上を同時に実現するための重要なツールです。
しかし、CRM導入で成果を上げるためには、単に高機能なシステムを選べばよいというわけではありません。自社の営業課題や業務フローにフィットしているか、社内で運用が定着するか、サポート体制は十分かなど、多角的な視点で比較・検討する必要があります。
特に中小企業やスタートアップの場合、「コストは抑えたいが、機能は妥協できない」という悩みも多いでしょう。そうした場合は、まずは無料トライアルを活用して自社業務との相性を見極めたり、営業代行会社やIT支援業者などの外部パートナーに相談するのも効果的です。
CRMの選定と運用は、単なるツール導入ではなく「営業戦略の根幹」に関わる重要な取り組みです。本記事で紹介した視点や選び方のポイントを踏まえ、自社にとって最適なCRMシステムを選定し、顧客との信頼関係を着実に構築していきましょう。
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