2024年1月12日 オンライン本人確認
個人番号を証明するためのマイナンバーカードは、本人確認資料としても利用できます。近年では、マイナンバーカードを活用したオンライン本人確認「eKYC」が普及しつつあります。
ここでは、マイナンバーカードに記録されている情報やeKYCの手法などを詳しく解説します。
目次
マイナンバーカードには「個人情報」と「電子証明書」の2つが記録されています。税金や病歴といったプライバシー性の高い情報は記録されません。
それでは、記録される情報の詳細を見ていきましょう。
個人情報として登録される内容は氏名・性別・生年月日・住所・個人番号です。本人確認資料や住民票に基づき登録され、個人番号は行政手続きの際などに利用されます。
電子証明書として記録される内容は署名用電子証明書・利用者証明用電子証明書の2つです。暗号技術によって保護されているほか、読み取り時は暗証番号が必要なので、不正取得される可能性は低くなっています。
eKYCにマイナンバーカードが利用されるようになった理由は、主に2つあげられます。
・犯罪収益移転防止法が制定されたため
・マイナンバーカードの普及率が伸びているため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
犯罪収益移転防止法とは、犯罪で得た収益をマネー・ロンダリングやテロ行為といった組織犯罪に使われることを防ぐために制定された法律です。
金融機関や貸金業者といった特定事業者は、顧客の本人確認が義務付けられています。そして2018年の改正によってeKYCが認められました。これにより本人確認の期間が短縮され、顧客にとっての使いやすさも向上したといえます。
なお2020年にも改正され、郵便を利用する本人確認の場合、本人確認資料を2点提出しなければいけないという要件になりました。
マイナンバーカードの配布が開始されたのは2016年1月から。希望者にのみ配布されるカードですが、現在では様々な機能が充実しています。今後は健康保険証としても利用できるようになります。
マイナンバーカードの普及率は次第に伸びており、2018年12月時点では20%未満だったのに対し、2023年6月時点では60%を超えています。
そして、マイナンバーカードはなりすましや改ざんが難しくセキュリティが高いため、eKYCとの相性もよいといえるでしょう。
マイナンバーカードを用いたeKYCの活用事例を3つご紹介します。
一部のキャリアではeKYCが導入されています。eKYCに対応している機種とマイナンバーカードがあればスムーズに本人確認が完了します。
銀行は特定事業者に該当するため、顧客の本人確認が義務付けられています。自社アプリを提供している銀行であれば、マイナンバーカードや運転免許証を提出し約10分ほどで口座の開設が完了します。
2022年5月から不動産取引の電子契約が解禁されました。それに伴いオンラインで本人確認をする不動産会社も増えています。
eKYCの手法はいくつかありますが、マイナンバーカードを用いるものは主に4つあります。
・「ホ」方式
・「ヘ」方式
・「ト」方式
・「ワ」方式
それぞれ詳しく見ていきましょう。
本人確認資料と顔写真を送信する方式です。マイナンバーカードのほか運転免許証やパスポートなども利用できます。
マイナンバーカードに搭載されているICチップの情報と顔写真を照合し、本人確認を進める方式です。ICチップの読み取りには、NFC対応のスマートフォンが必要です。
ICチップに記録されている情報と、金融機関などの顧客情報を照合する方式です。マイナンバーカードのほかに、顧客名義のクレジットカードや既存口座などが必要です。
マイナンバーカードのICチップに記録されている署名用電子証明書と暗証番号を用い、本人確認を進める手法です。公的個人認証サービス(JPKI)とも呼ばれており、広く使われています。
マイナンバーカードを用いたeKYCのメリットは3つあげられます。
・セキュリティセキュリティが強力
・ユーザーの負担や手間が少ない
・ユーザーの最新情報を把握できる
それぞれ詳しく見ていきます。
マイナンバーカードのICカードは、セキュリティの国際基準である「ISO/IEC15048認証」を取得しています。また、不正被害に遭いそうな時は自動的に記録情報が消去される、暗証番号の入力を一定回数以上間違えるとロックされるといった機能が搭載されています。
そのため、他の本人確認資料に比べるとセキュリティが強力といえるでしょう。
公的個人認証(JPKI)を用いた場合、ユーザーはマイナンバーカードの読み取りとパスワードを入力するだけで本人確認が完了します。顔写真の撮影などが不要なのでユーザーの負担や手間が少なく、スムーズに手続きが進みます。
マイナンバーカードは行政と紐づけされています。そのため、名字や住所が変更された時などは、その時点で情報が更新されます。事業者もユーザーの最新情報をすぐ把握できるので、双方にとってのメリットといえるでしょう。
マイナンバーカードを用いたeKYCは、メリットだけでなく次のようなデメリットもあります。
・普及率が60%ほど
・端末によって読み取り位置が異なる
それぞれ詳しく解説します。
次第に広がっているとはいえ、マイナンバーカードの普及率は2023年6月時点で約60%ほど。そのため、中にはマイナンバーカードを用いたeKYCを利用できないユーザーもいます。
しかし、マイナンバーカードが健康保険証として利用できる仕組みが開始されたことで、さらに拡大していくと予想されます。
マイナンバーカードのICチップを読み取るには、NFCが搭載されたスマートフォンが必要です。また、端末によって読み取り位置が異なるので、エラーが生じる可能性もあります。
他のeKYCの方法や転送不要郵便の送付を案内するなどして、ユーザーの離脱防止に努めましょう。
政府の推進もあり、マイナンバーカードは今後より普及率が高まっていくでしょう。セキュリティの強さやユーザーにとっての使いやすさなど、マイナンバーカードを用いたeKYCの利便性は高いといえるでしょう。
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